ハプスブルク展 雑感

 先週のことですが、乃木坂の国立新美術館ハプスブルク展を観に行きました。
 終了週だったからか(すでに東京での展覧は14日で終わり、1月から京博へ巡回するようです)人が多すぎて、もうそれだけで疲れました。ハプスブルク家にまつわる絵画中心の展示ですから、ウィーン美術史美術館蔵の品が多かったです。かれこれ十年ほど前にウィーン旅行した時の記憶がちらほらと蘇りました。ヨーロッパに行くとルーベンスが多すぎて食傷気味(失礼だ)になるんだけど、こういうときは数枚しか来ないから、ありがたみが増してじっくり見てしまうものです(ね、パトラッシュ)。ハプスブルク家で括ると空間的にも時代的にも広くなるから、展示そのものがバロックな様相を呈しておりました。
 個人的には、スプランゲルが妙に懐かしくてよかった。マニエリスムへの傾倒って、若い時に通りますよね。プラハ好きとしては特に。種村さんにハマったりして(ルネサンスにそっぽを向いてマニエリスムへというのはちょっとした倒錯なのだろうか?)。
 それにしても、ウィーンもの中心の展覧会には首切り女(と勝手に呼んでるんだけど)が必ずあるよなぁ、と今回もしみじみと思いました。生首の女ではないです。そんなのを好んで描くのは芳年くらいです。男の生首を抱えた女の絵のことで、ユーディットとサロメのことです。今回はユーディット二枚とサロメ一枚(クラナッハ! クラナッハ!)が来てました。いっそのこと並べて置いてくれればいいのになぁ。そのうち、「首切り女」展をやってほしいものです。芳年暁斎も交えて、目玉は是非ともクリムトで。あ、カラヴァッジォもお願いします。豪華だな、おい。