2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

現代的な普遍論争:フランセス・イェイツ『薔薇十字の覚醒』雑感

AppleとAdobeのFlashを巡るニュースが騒がしい。ウェブの標準においてひとつの重要なファクターがオープン性なのだと改めて認識できる興味深い事例だ。 ジョブス自身が言及しているように、AppleとAdobeは長らく蜜月関係にあった二社である。ことの発端は、A…

雑記。

先日、柏餅を頂いた。美味しい。「味噌餡」という白味噌を練り合わせた餡が入っていた。味噌を加えることで独特な酸味が加わり、甘ったるくなくさっぱりした味わいになっている。 この味噌餡というあんこを、僕は知らなかった。東京では普通だそうだけど、僕…

日本語では「高い家」です。:荒川弘『鋼の錬金術師』雑考

フィリップス・アウレオルス・テオフラストゥス・ボムバストゥス・フォン・ホーエンハイム。 ――通称、《パラケルスス》。 16世紀を生きた北方出身の医者は、30歳そこそこでバーゼル大学の教授になったとき、慣習を破ってドイツ語で講義した。世は宗教改革で…

昔、北綾瀬に住んでいたとき違う橋を渡りたいと思って荒川河川敷を2、3キロ歩いた末、巨大な柵に行く手を阻まれて断念したことがありました。:中村光『荒川アンダーザブリッジ』雑感

唐突ですが、フィクションの雛型の中ではなんだかんだ言っても《ボーイ・ミーツ・ガール》型が最強だと思うのです。ん、最強は表現が変だな。「基本にして万能」が正しいかもです。 問. ボーイ・ミーツ・ガール型って何? 答. 男の子が女の子と出会う話で…

1327。1434。1492。1527。

不定例回帰的に訪れるマニエリスム中毒に現を抜かし、近ごろローマ劫掠(1527年)ばかりに目が向いていたが、アタリの『1492―西欧文明の世界支配』(ちくま学芸文庫)などを読んでみると、《ヨーロッパ》って常に危機的状況にあるんじゃないのか、と改め…