2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

"Nightwatch":ピーター・グリーナウェイ監督『レンブラントの夜警』雑考

クローチェは内容と形式の相違を認めない。後者は前者であり、前者は後者なのだ。アレゴリーは彼には化けものに見える。まるで暗号のように、一つの形式のなかに、直接的ないし逐次的意味(ウェルギリウスに導かれて、ダンテはベアトリーチェのもとにいたる…

ドラえもんの音

アニメ『ドラえもん』のタイトルシーンで流れるジングルを思い浮かべてほしい。画面の両端にドラえもんがいてひっくり返る。その際、「トゥルルル♪×××」という音楽が流れる(×××はタイトルである)。 では、いま思い浮かべたジングルを口に出して奏でてみよ…

誰も気にしない:ボルヘス「ジョン・ウィルキンズの分析言語」雑感

アンサイクロペディアで見つけた(wikiではないのでご用心)。 誰も気にしない(Nobody cares)は、しばしば「勝手にしろ」とも書かれ、神格者、専制君主、寡頭制、民主主義、一般大衆、飼い主、すべての人、そしてwikiの管理者により使用される方針である。…

鯨の腑の光〜レベッカ・ホルン展(東京都現代美術館)より

四方は壁――。 薄暗い室内に、ミニマル音楽が静かに流れる。中央に置かれた浅い水盤が、絶えることのない光を受ける。照射されては、文字や文字が浮き上がる。 壁と床を文字が這う。水面から生まれた文字や文字が、ゆっくりゆっくり流れゆく。 文字の形は、ラ…

額装と軸装、あるいはフレーム:速水御舟展 雑感

「イメージは枠から外へ出なければならない」と、バチェコは弟子のベラスケスに言ったそうだ。 昨秋、引っ越しした山種美術館で速水御舟展が催された。自分では買わないだろう本や行かないだろう店なんかがあるように、眼に入らない場所というのが存在する。…

納得。

悲劇のテンポを早めれば喜劇になり、喜劇のテンポを緩めると悲劇になる。――ウジェーヌ・イヨネスコ 『君に届け』(13話)見てて思った。 てことは、おまけコーナーのテンポはどっちつかずなのか……。